オーステナイト系ステンス 溶接ビード磁化について
先日、お客様からオーステナイト系ステンレス(SUS304)の溶接ビード磁化防止の為、固溶化熱処理を出来るかお問合せをいただきました。
オーステナイト系ステンレスは磁性のない材料です。
溶接部が磁化するケースとして凝固割れ(高温割れ)対策としてフェライトを含有した溶接棒を使用した場合です。
溶接金属中に数%~十数%のフェライトを含有させて、りん(P)や硫黄(S)等の有害な不純物元素をフェライト組織内に固溶させます。
その結果、粒界への低融点化合物の偏析が減少して粒界が健全になり、割れの発生が抑制されます。ただ、フェライトを含んだ溶接金属が磁化し、弱いながらも磁石に反応してしまう様です。
当社で施工する突合せ溶接は、ずべて溶加棒を伴わないI型突合せ溶接です。
従いまして磁性化することはありません。