無酸素銅、タフピッチ銅、リン脱酸銅の溶接について

C1220 t0.5パイプ無酸素銅、タプピッチ銅、リン脱酸銅についてお問い合わせを頂いたので所見を述べてみたいと思います。
無酸素銅(C1020)は、純銅とも呼ばれ99.99%以上の純度となります。
溶接熱で鈍ってしまう傾向にあります。
溶接パイプ製作工程でロール加工の在留応力が溶接部に集中し尖るので外形サイズによっては円筒度が出ません。
半導体製造装置など真空部品では無酸素銅での溶接となります。
タプピッチ銅(C1100)は、純度99.0%で高い導電率と熱伝導率を誇ります。
600C以上に加熱すると水素が材料内部に残っている酸素と反応して、材料亀裂を生じさせる「水素脆性」があります。
溶接で割れが発生することがあります。
リン脱酸銅(C1220)は、タフピッチ銅の水素脆性対策でリン(P)で脱酸処理を行った材質です。
溶接性は良いです。1ミリ以下の材料入手性もよく、弊社で溶接パイプを製作するときによく使用する材料です。
リン(P)が残留しているので用途によっては注意が必要です。