磁石とマイクロプラズマ溶接

磁石などが入って磁力のある部品の溶接というのは、マイクロプラズマ溶接やTIG溶接は苦手です。
苦手というよりはほぼできないと言ってもよいでしょう。
磁石入りのワークを試作したのですが、溶接条件や周辺冶具で大変苦労しました。


磁石入りのワークが難しい理由は電気抵抗を利用した溶接方法だからです。
マイクロプラズマ溶接、TIG溶接など直流アーク溶接は、電極又は溶接棒を溶接電源の陰極(マイナス)側に、母材を陽極(プラス)側に接続します。
ワーク側に磁石がありますと、N極にアークがひきつけられS極にアークが反発して狙った溶接位置に溶接アークが飛んでくれません。
ゆえに電気エネルギーでないYAGレーザー溶接や電子ビーム溶接などが好まれるようです。
蛇足ですがロウ付けやガス溶接も原理的には問題ないです。
磁力の強さ、溶接位置と磁石位置の関係は重要な要素となります。
磁石自体も溶接熱影響を受けやすいです。
弊社で磁石入りワークを溶接できるのは、ケースバイケースです。
事前にご相談いただきますようお願いします!