SUS303とSUS305
オーステナイト系ステンレスで代表的なものはSUS304ですが、ここ最近はSUS303,SUS305と番手の近いオーステナイト系ステンレスでお問合せを頂いたので整理してみました。
SUS303:SUS304と比べて硫黄(S)・リン(P)の含有量が多いです。切削性や耐焼付性が良い反面、耐食性は劣ります。肝心かなめの溶接性は硫黄・リンの影響をモロに受けて最悪です。溶接するのであれば選択してはいけない材料です。
SUS305:SUS304と比べてニッケル(Ni)・炭素(C) の含有量が多く、耐力・引張強さが弱いです。加工硬化性が低くへら絞り・引き抜き加工など加工性が良いです。溶接性はSUS304と同等です。ニッケル量が多く柔らかいので(その分炭素がちょっと多いですが)溶接部に応力がかかる用途では座屈(折れ)に注意です。