溶接欠陥対策について

溶接欠陥とは?

溶接部には様々な条件・用途に応じてそれぞれの性能・品質が要求されます。その性能・品質を損なうものを溶接欠陥といいます。

欠陥は製品の強度・寿命を低下させ、弊社で日常多く取り扱っている真空機器などの気密(シール)溶接では、ワークの気密が最重要になるため特に厳重な管理と検査を行なっております。

溶接施工前の作業

弊社では常日頃から欠陥の原因を究明し未然に発生を防ぐため溶接に取り掛かる事前に下記の対策をとっております。

気孔(ブローホール)防止を目的にワークに付着した油脂や加工屑などの付着物をアルコール洗浄します。製品によっては超音波洗浄、精密洗浄を実施しております。

これは、付着物が溶接部に溶け込みブローホールや割れの原因となるからです。

製品全体、特に溶接開先を清浄に保ち溶接金属への異物溶け込みを防ぎます。

溶接施工での欠陥対策

製品に最も適した形の溶接冶具を製作し入熱量を出来る限り抑え、適切にシールドガスとバックシールドガスを供給できる状態でワークを冷却します。

これは、外観や寸法不良の原因となる歪の軽減以外に、チタンなど活性の高い金属で大気の巻き込みによる酸化や脆化の防止となります。

オーステナイト系ステンレスでの溶加棒を使う作業では、高温割れを防ぐためにY308,Y316Lといった適切な溶加棒を使用しております。

溶接施工後の検査

溶接施工前処理と施工時に欠陥を防ぐ対策をとっておりますが、欠陥のある製品が社外に流出しないよう、溶接完成後に製品の形状・用途に応じた検査を行なっております。

ヘリウムリークテスト

製品内部を真空ポンプで真空状態にして、外部からヘリウムガスを吹き付け(吹付け法)、又は充満させ(フード法)、漏れがある場合、真空状態にある製品内部にヘリウムが侵入し、リークディテクタが漏れを検知します。
微小な漏れも検出する感度の高い漏れ検査となります。
高真空な環境で使用される半導体製造装置や真空部品の気密を検査します。
検知可能範囲(Pa・m3/s) 10-11~10-13
ヘリウムリークディテクタ
ヘリウムリークディテクタ

加圧テスト(ヘリウム又は大気)

スエージロックなど配管部品の組立溶接品の気密を検査します。
スヌープ液(漏れ検出液)や石鹸水を溶接部に塗布し、加圧。漏れがあると場所が発見できます。
漏れた場所を特定しやすいメリット、後工程で洗浄が必要になるデメリットがあります。
検知可能範囲(Pa・m3/s)10-2~10-3

温水没テスト

フロートや容器などの密封された形状の気密を検査します。
加圧テストやPTテストと異なり、製品を汚さないで検査できるメリットと温水槽に入る製品しか出来ない、温水の疑似気泡と見分けにくいデメリットがあります。
検知可能範囲(Pa・m3/s) 10-4~10-5

PT(Penetrant Testing):溶剤除去性浸透探傷試験

かど溶接PT試験▲かど溶接PT試験 溶接表面の欠陥を検査。箔(極薄板)の場合は、ビード裏面に浸透液を塗布して表面に現像液をつけ、漏れの検査もおこないます。
検知可能範囲(Pa・m3/s) 10-5

VT(visual testing):目視検査(×1~×100)

実態顕微鏡によるものからルーペ、肉眼まで、弊社で溶接した部分は全て目視検査を行なっております。

 

製品仕様の検査について