モリブデンの溶接

技術営業部の森貞です。

弊社では特殊材(レアメタルなど)の溶接も行っている為、年に1~2回程度はモリブデンの溶接の問い合わせをいただきますが、残念ながら現在弊社ではモリブデンの溶接はできませんのでモリブデンについてまとめました。
尚、過去にはテスト溶接も行いましたが、溶接金属が固まるとすぐにクラックが発生してしまいます。(溶接はアルゴン雰囲気中)

モリブデン(Molybdenum)

元素記号「Mo」原子番号42の金属元素で、融点が約2600℃と非常に高く、熱や摩耗に強い特性があります。鉄に添加することで強度や耐熱性を高め「SUS316・316L」「モリブデン鋼」のになり、ニッケルに添加することによりハステロイになります。

主な用途

産業:自動車部品、航空機エンジン、建設機械、工具鋼などに利用され、過酷な環境下でも耐えうる強   度と耐熱性があります。

高温: 融点の高さと熱変形の少なさを活かし、ガラス溶解用の電極や半導体のヒートシンク(放熱板)、電子部品などに用いられます。

潤滑: 摩擦を減らす特性から、エンジンオイルやグリスの添加剤として使用されます。

モリブデンの溶接性

モリブデンは融点が約2600℃と非常に高い耐熱性を持つ一方、溶接時に「脆化」
「結晶粒の粗大化」「割れの発生」が起きやすく、溶接性が非常に低いです。
溶接時の熱で結晶が著しく粗大化し、常温で非常にもろく(脆化)なり、少しの力や応力で割れが発生します。
高温状態のモリブデンは大気中の酸素と急速に反応して脆い酸化物を形成する(酸化)ため、アルゴンなどの不活性ガスで完全にシールドされた雰囲気で行うことが必要です。

 

弊社で日常的に溶接を行っている、SUS316・SUS316Lにもモリブデンが2~3%添加されておりますし、ハステロイにもモリブデンが添加されております。

SUS316/316L

一般的なステンレスであるSUS304とSUS316系を比較すると、主に耐食性に違いが見られます。SUS316系はSUS304よりも耐食性・耐孔食性に優れており、特に海水などの塩化物イオンと接触する可能性のある環境での使用に適しています。
加工性はSUS304の方が優れており、切削加工と溶接加工で特に難なく加工することができます。しかしながら、SUS304は機械加工により磁性を持つことがありますので注意が必要です。

ハステロイ(HASTELLOY)

ハステロイは、ニッケルを主成分とし、モリブデンやクロムなどを添加した耐食・耐熱性に優れたニッケル基合金です。名称のハステロイ(HASTELLOY)は、アメリカのヘインズ・インターナショナル社が保有する登録商標名です。

ニッケルに、クロムやモリブデンなどを添加したニッケル基超合金の総称で、極めて優れた耐食性と耐熱性を持つため、化学プラントや航空宇宙分野などで広く使われており、その知名度の高さから一般名称として定着しています。
特にモリブデンの含有量が多く、これが塩酸や硫酸などの過酷な環境で高い耐食性を発揮する最大の要因となっております。
成分バランス、添加される成分量によりいくつか種類があり、モリブデンの配合バランスが異なります。
ニッケル-モリブデン系(ハステロイB)
ニッケルクロム-モリブデン系(ハステロイC)

弊社の溶接にて、上記のような優れた特徴を持つSUS316系、ハステロイ系のパイプ(ベローズ用・キャンドモータ用)・真空容器・配管などを製作し、様々な業界のお客様にご使用いただいております。

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