漏れ検査
技術営業部の森貞です。
弊社は耐真空溶接を最も得意としております。
そもそも溶接はハーメチックシールが基本なので、弊社では溶接後に漏れ検査を行います。
弊社で行っている漏れ検査は、温水没検査、浸透探傷試験、Heリークテスト、などがありますので、簡単ですが紹介させていただきます。
ハーメチックシール
ハーメチックとは「密閉した」「気密の」という意味であり、ハーメチックシールとは気密封止(気密シール)のことになります。
温水没検査
温水没検査は、主に密封体に対して行います。
方法は、80度以上のお湯に被検体に決まった時間浸します。
溶接部に欠陥、主にクラックがある場合は、内部の空気が熱せられ患部から気泡が出ますので、それを目視にて確認する検査です。
弊社で溶接するものは薄肉が多い為、ほとんどの欠陥は貫通します。
浸透探傷試験
カラーチェック、PT(penetrant testing)とも呼ばれ、溶剤除去性、水洗性、後乳化性などの、いくつかに分類に分かれています。弊社では水洗性で行っております。
実際の試験は下記の要領で行います。
前処理 : 洗浄液で検査面の油、汚れ等を除去する。浸透処理 : 浸透液を塗布し、一定時間放置する。
除去処理 : 洗浄液にて試験体表面の浸透液を除去する。 水洗性浸透液は水を使用する。
現像処理 : 試験体表面に現像液を適用する。
溶接欠陥がある場合は、浸透液(赤)が欠陥内部に浸透し、現像液(白色)を適用することで欠陥内部の浸透液を毛細管現象により試験面に吸出され、指示模様(白地に赤)が形成されます。
こちらを観察し溶接欠陥の判断をする検査です。
弊社では薄肉パイプの漏れ試験などには、内面に浸透液を塗布し外面に現像液を適用する方法を取っております。
Heリークテスト
HeリークテストはHeリークディテクタを使用して行います。テストの種類は、真空吹付け法(スプレー法)、真空外覆法(真空フード法)、吹込み法(スニッファー法)、浸せき法(ボンビング法)、真空容器法(ベルジャー法)、並列排気によるリークテストなどがあります。
弊社で主に行っておりますのは、真空吹付け法(スプレー法)、真空外覆法(真空フード法)になり、外注となりますが浸せき法(ボンビング法)も可能です。
真空吹付け法(スプレー法)
試験体内部を真空に排気し外部よりヘリウムを吹き付け、漏れ箇所より進入したヘリウムを検出・測定します。
真空外覆法(真空フード法)
ヘリウムを詰めたビニール袋で覆った試験体を真空排気し、漏れ箇所より入ったヘリウムを検出・測定します。
浸せき法(ボンビング法)
あらかじめボンビング装置を用いヘリウムを加圧した試験体をチャンバー内に入れ、真空差圧にて流出したヘリウムを検出・測定します。気密封止された小型量産部品のリークテストに用います。
リーク箇所の特定が容易な為、弊社では真空吹付け法(スプレー法)を行う事が多いです。
弊社では、装置・機械の要素部品を溶接組立しております関係で、完成品だけでなく半製品・部品の段階でのテスト、完成後にテストを行っても修理が出来ない箇所のテストなども多くあります。
その場合は殆どテストポートが設けられておりませんので、治具などを溶接にて工夫して行っております。
Heリークテストを行わずに納入することはありませんので安心してご依頼ください。
肉厚0.2mmの溶接パイプのHeリークテストも可能です。(Heリークテストのみのご依頼はお引き受けしかねます)
管理番号220726