SUS305の溶接

森貞です。
先日、弊社でSUS305の溶接を行いました。 支給材を円筒状に加工するというものでした。
今まで、各種ステンレス鋼・特殊材などの溶接を行ってきましたがSUS305は初めてでした。
SUS305の特徴としましては一般的なステンレスの代表格のSUS304に比べ加工硬化性が低く、用途は絞り・特殊引き抜き・冷間圧造などに使用されます。
化学成分はSUS304に比べまして、クロムが17%~19%と少なく、逆にニッケルが10.5%~13%と多く、カーボンは0.12%と多少多いというようなものです。カーボン量が多い場合は溶接しますと割れてしまうことがありますが0.12%ていどであれば問題はなく、溶接性は良好でした。
しかしながら今回ご支給いただいた材料は硬度が入っており、溶接後溶接ビードが軟化し、ロール成型を行ったところビードがとがってしまいました。オーステナイト系のステンレスは溶接後ビードが軟化してしまいますが、おそらく加工硬化性が低いという特徴の為必要以上にビードが軟化してしまったと思われます。
このように、溶接性に問題がない場合でもその後の加工などで様々な問題や課題が出てくることがありますので、データ量を増やし様々なことに対応できるように対策をしていきます。
それではまた。。。