SUS631につきまして

森貞です。
SUS631について少し書きたいと思います。
この鋼種は析出硬化系ステンレスといいます。
特徴は、オーステナイト系ステンレスの性能を保ちながら、熱処理によって強度を高めることができ、強度を最高に高めるとマルテンサイト系の焼き入れ材に準じるぐらいまでになります。
この素材を何に使うかといいますと、弊社のお客さんではほとんどスチールベルトに使用されます。
SUS304Hでは溶接すると溶接部は固溶化熱処理状態と同等になり強度が下がってしまうと書きましたが、SUS631も同様に溶接しますと固溶化熱処理状態になり強度が低下してしまいますが、304にくらべまして固溶化熱処理状態の強度が強いので使用されると思われます。
ちなみにこれを最高まで強度アップをするとすれば、全体を固溶化熱処理をし強冷間圧延後析出硬化処理をすれば1900Nくらいの強度になるそうです。 
それではまた。。。