低温工学・超電導学会研究発表会併設展示会

展示会ブース

低温工学・超電導学会研究発表会の併設展示会に出展しました。

5月23日~25日にかけて東京都日野市の明星大学にて開催された、第107回低温工学・超電導学会研究発表会の併設展示会に出展しました。

弊社はもともと本学会の関西支部の事業会員として、講演会や施設見学会に参加させていただいておりましたが、今回初めて、溶接技術を紹介する場を設けることができました。

当日は各種薄物の溶接パイプや、低温機器向けの組み立て溶接品など、様々な溶接サンプルを来場した方々に見ていただくことができました。

弊社の溶接技術と低温・超電導との関わり

超電導現象の特徴として、電気抵抗0で大電流を流すことができる点がありますが、このような現象は極低温で発生するため、冷却技術と密接な関係があります。
冷却技術すなわち低温環境を作り出す技術としては、熱の流入を防ぐことが求められます。

 

熱の伝わり方は次の3つに大別されます。
・熱伝導:物体内で、熱が高温部分から低温部分へ移動する現象。
・熱放射(輻射):電磁波が物体に当たった際に熱が発生する現象。
・熱伝達(対流):液体や気体が移動することで熱が運ばれる現象。

上記の内、熱伝達を抑制する手段として真空層を設けることが有効であり、弊社の薄物溶接パイプと、フランジなど機械加工部品との精密溶接により製作している、真空断熱容器などがこの分野で活躍しております。

 

マイクロプラズマ溶接の特徴である、溶け込み深さと良好な指向性に加えて、積み重ねてきたノウハウを活かし、今後も低温・超電導の分野を微力ながらお支えできればと思っております。

 

超電導【Superconductivity】とは

特定の金属や化合物などの物質を超低温に冷却したときに、電気抵抗が急激にゼロになったり、物質内部から磁力線が排除されたりする現象です。
1911年、オランダの物理学者ヘイケ・カメルリング・オンネスにより発見されました。 

真空断熱とは

2つの金属やガラスなどの層の間に真空の状態を作り出すことで熱の伝導を極めて低減させる技術です。
真空の状態では空気が存在しないため、対流による伝導が起こりません。

マイクロプラズマ溶接とは

マイクロプラズマ溶接の原理は水冷ノズル内で発生させた低電流(3A程度)のアーク(非移行型プラズマアーク)をノズル先端の細穴を通し熱ピンチ効果によりさらに細くなったアーク柱を発生させます。
そのアーク柱を細いままで溶接ワークに届かせるためシールドガスに少量のH(水素)を加え、その乖離熱でアーク柱表面に冷却ピンチ効果を持続させる方法です。
この方法で得られるアーク柱は非常に低電流でも発生可能で、0.1Aといった極小電流でも、安定したアークが得られます。また、突合せ、重合せ溶接などの施工でTIG溶接と比べ、高入熱特性により低い電流での作業が可能ですので歪みを軽減する効果もあります。

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