真空チャンバーの溶接(SUS316L)
真空チャンバーの受託溶接事例
技術営業部の森貞です。 製造部の濱本が真空チャンバーの溶接を行いました。
本管に枝管が7本、各枝管に全てICFフランジ(ICF203・ICF152・ICF70)を取り付ける仕様です。
小型の真空チャンバーの組立溶接は何度も行っておりますが、今回の物は相手側との取り合いの寸法が厳しい為、溶接後のフランジ面の垂直度・平行度を求められました。
本管に枝管を溶接した後は歪むことが予想され、尚且つお客様のご要望により外側のタック溶接を行わない為、溶接後に各管の面出しを行った後にフランジを溶接する工程にて行いました
それでもフランジの溶接を行いますと歪が出てしまいますが、TIG溶接よりも歪の少ないマイクロプラズマ溶接で行う事により歪が軽減され、装置に組み込むことができる仕上がりになりました。
ヘリウムリーク検査
真空チャンバーは、真空ポンプにより内部の空気を排気し真空環境を作る物なので、溶接部からのリークは厳禁です。従いまして完成後ヘリウムリークディテクタにてリーク検査を行います。
しかしながら、仮に完成後、本管と枝管の溶接部にリークがあった場合、せっかく面出しを行っていても再溶接にてまた歪みが発生してしまいますので、本管に枝管を溶接した時点で一度リーク検査を行います。
完成後であればフランジが付いていますのでブランクフランジにてシールが出来ますが、シール部分は枝管なので結構苦労しましたが、無事にリーク検査を行う事が出来ました。
担当者の声 製造部 濱本敦史
「組立では、歪を極力抑えるため嵌合がきつく枝管のはめ込みに苦労したり、また溶接では小型のチャンバーなので管の内径が小さいため、トーチのハンドリングが悪く、尚且つ内部が見えにくい、その他リークテストなど苦労した部分も多かったですが、何とか知恵を絞って完成させました。」
弊社では完製品だけではなく、真空装置の要素となる部品の組み立ても行っておりますので、必ずしもリーク検査がしやすい形状ではありませんが、知恵を絞って何とか行っております。
本業の溶接、またはリーク検査だけではなく、工程・治具設計等も行い、お客様の仕様を満足できるよう創意工夫を行っておりますので、何なりと御声掛けいただければ幸いです。
管理番号:220602